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それってシニア犬の認知症・痴呆症かも、、獣医師に相談すべきタイミングと受けられる治療法

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シニア犬に多い認知症(痴呆症)は、年齢とともに脳の機能が衰えることで起こります。しかし、早期に気づいて適切なケアを行えば、進行を緩やかにすることが可能です。実際には「ただの老化かも」と判断してしまい、受診が遅れるケースも少なくありません。症状を見極めることが、犬の生活の質(QOL)を守る第一歩です。本記事では、獣医師に相談すべきサインと、動物病院で受けられる治療法についてわかりやすく紹介します。


【初期症状】シニア犬の認知症が疑われるサイン

犬の認知症は、最初は些細な行動の変化として現れます。よく見られるのは夜鳴きや徘徊です。夜になると落ち着かず歩き回ったり、意味もなく吠えることがあります。また、トイレの失敗が増えるのも代表的なサインです。

飼い主や家族を認識しにくくなり、呼んでも反応が鈍い、あるいは視線が合わないといった様子も見られます。昼夜が逆転し、日中はぼんやりして寝てばかり、夜に活動的になるケースも多いです。同じ場所をぐるぐる回る、壁に向かって立ち尽くすなど、理解しにくい行動も出てきます。

こうした行動が複数見られる場合は、単なる加齢ではなく認知症の可能性があります。飼い主が「なんだかおかしい」と感じる直感も大切なサインです。

  • 徘徊や旋回運動(同じ場所をぐるぐる回る)
  • 昼夜逆転
  • トイレの失敗
  • 家族への反応の変化
  • 無目的な行動や無気力

いつ動物病院に相談する?受診タイミングの目安

認知症は、心臓病などと比べて直接命に関わるものではないので、認知症のサインが見えても「様子を見よう」と相談するタイミングを先延ばしにしてしまう飼い主は少なくありません。しかし、早めの受診がケアの幅を広げます。では、どんなときに獣医師へ相談すべきでしょうか。

まず、行動の変化が2週間以上続く場合です。夜鳴きが続く、トイレの失敗が毎日のようにあるなど、習慣化しているようなら専門家に見てもらうべきです。また、日常生活に支障が出て、飼い主の介護負担が急に増えているときも受診のサインです。

さらに、症状が急に悪化した場合は特に注意が必要です。徘徊が急にひどくなった、反応が急に鈍くなった場合は、脳や神経の別の病気が隠れている可能性もあります。

加えて、体重減少や食欲低下、下痢や嘔吐などの症状を伴う場合もすぐに受診しましょう。これは認知症ではなく内臓疾患やホルモン異常の可能性もあるためです。「年のせい」で片付けず、早めに獣医師へ相談することが、犬の健康を守る大切な一歩です。


動物病院で行われる認知症の診断方法

動物病院では、まず飼い主への問診が行われます。生活習慣や行動の変化、夜鳴きの有無、トイレの様子などを細かく確認します。そのため、普段から気になる行動をメモしておくと診断がスムーズです。

次に身体検査が行われ、目や耳といった感覚器、反射や歩行など神経の働きをチェックします。認知症に似た症状を示す病気も多いため、血液検査や尿検査で内臓疾患を除外し、必要に応じてX線やMRIといった画像診断を行うこともあります。

特に甲状腺機能低下症や脳腫瘍は、認知症と似た行動変化を起こすことがあるため、正しい診断が欠かせません。また、認知症の重症度を評価するために「行動評価シート」を用いることもあります。これは睡眠パターンや反応速度、排泄の様子などを点数化するもので、今後の治療方針を決める参考になります。


老犬の認知症に用いられる治療法

認知症に対する治療は「完治」ではなく「進行を遅らせ、生活の質を守る」ことが目的です。

薬物療法では、脳の血流を改善する薬や神経伝達物質に作用する薬が使われます。これにより認知機能が安定し、行動の改善が期待できます。

サプリメントも広く用いられます。オメガ3脂肪酸(DHA・EPA)、抗酸化物質(ビタミンE・C、ポリフェノール)、MCTオイルなどは脳細胞を守り、エネルギー供給を助ける効果が期待されています。

食事療法では、脳の健康をサポートする成分を配合した療法食が有効です。日常のフードを切り替えるだけで取り入れられるため、続けやすい方法です。

さらに、生活環境の工夫も欠かせません。段差の解消、常夜灯の設置、脳トレおもちゃの導入などで、犬の安心感と脳への刺激を両立させます。薬や食事、環境調整を組み合わせる「トータルケア」が最も効果的です。


認知症の疑いがある愛犬に飼い主さんができるサポート

認知症の犬を支えるうえで、飼い主の関わりはとても重要です。まず心がけたいのは「規則正しい生活リズム」を整えること。毎日同じ時間に食事・散歩・就寝を行うことで、犬は安心しやすくなります。

また、優しい声かけやスキンシップは最大の安心材料です。触れ合うことでオキシトシンが分泌され、犬も飼い主もリラックスできます。

さらに、散歩や遊びを通じて適度な刺激を与えることも大切です。におい探しや軽い運動は、脳を活性化させる効果があります。

そして、獣医師と連携しながら日々のケアを行うこと。薬やサプリの使い方、症状の変化を相談しながら調整することで、安心して介護を続けられます。


愛犬の認知症で受診を迷っている飼い主さんへ

「病院に行っても治らないのでは」と受診を迷う飼い主も少なくありません。しかし、認知症は早期診断によって対応できる範囲が大きく変わります。症状が軽いうちにケアを始めることで、進行を遅らせ、犬の生活の質を守ることができます。

また、受診は飼い主の不安を軽減する意味でも大切です。「これは認知症なのか」「他の病気ではないのか」と一人で悩むより、専門家に確認してもらうことで心が楽になります。

さらに、治療や環境改善の方法を専門家から具体的にアドバイスしてもらえるため、日々の介護も続けやすくなります。受診は「最後の手段」ではなく「最初の一歩」。早めの相談が、犬と飼い主の双方にとって安心につながります。


まとめ

認知症かもと思ったら、「年だから仕方ない」と自己判断で片付けず、早めに獣医師へ相談することが大切です。診断とケアを受けることで、進行を緩やかにし、犬の快適な暮らしを支えられます。不安を一人で抱え込む必要はありません。専門家と連携して愛犬をサポートすることが、飼い主と犬の幸せな時間を守る最善の方法です。

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