PR

シニア犬の体重が減るのは仕方ない?食べるのに痩せる子、食べないから痩せてしまう子の両パターンを徹底解説

記事内に広告が含まれています。

シニア犬の体重減少、見逃していませんか?

シニア期に入ると筋肉量の低下や基礎代謝の減少により、ある程度の体重減少は自然に起こります。しかし一か月で体重の5%以上落ちた、肋骨が浮き出てきた、背骨がゴツゴツ触れるようになった――そんな急激な変化は黄色信号。特に「いつも通り食べているのに痩せる」「食欲が落ちてどんどん痩せる」パターンは病気や栄養失調の可能性が高く、早めの対応が欠かせません。毎日の体重測定と写真記録で、微細な変化を見逃さない習慣をつけましょう。


「食べているのに痩せる」タイプの原因とは?

食欲旺盛なのに痩せていく場合、まず疑うべきは“摂取した栄養が体に残っていない”状態です。代表的なのが膵外分泌不全や慢性膵炎で、脂肪やタンパク質を分解する酵素が不足し、未消化のまま排泄されてしまいます。また慢性腸炎やリンパ管拡張症など腸壁の炎症・損傷があると、吸収面積が減りカロリーが失われます。さらに甲状腺機能亢進症や糖尿病など代謝が異常に高くなる内分泌疾患、フィラリアや条虫など寄生虫が奪うカロリーも要注意ポイント。便の色やにおい、未消化物の有無を観察し、下痢や多飲多尿などの併発症状も記録しておくと、診断時の重要な手掛かりになります。早期発見の鍵は“食べているから大丈夫”と思い込まないこと。血液検査やエコーで内臓機能をチェックし、原因に応じた治療と高消化吸収フードへの切り替えを行いましょう。改善までの間は、一食あたりの量を減らして回数を増やす“小分け給餌”が胃腸の負担軽減とカロリー確保の両立に役立ちます。


「食べないから痩せてしまう」タイプの原因とは?

フードを残しがちで体重が落ちるタイプでは、“食べたくても食べられない”要因を見極めることが最優先です。まずチェックしたいのは口腔内。歯周病や破折歯、口内炎、顎関節の痛みがあると、噛むたびに痛みが走り食欲が激減します。次に嗅覚の衰えやフードの酸化による香りの低下。犬はにおいで食欲スイッチが入るため、香りが乏しいと興味を示しません。さらにストレスや環境変化、持続する吐き気や便秘など消化器の不快感も食欲を奪います。持病の薬が副作用で吐き気を誘発しているケースも少なくありません。こうした原因を放置すると、エネルギー不足に加えビタミン・ミネラル欠乏で免疫力が落ち、病気を呼び込む悪循環へ。まずは動物病院で身体検査と血液検査を行い、痛み止めや制吐剤、食欲増進剤でサポートしつつ、フード形状や温度、香りを調整して「食べられる環境」を整えましょう。愛犬が“食事=楽しい”と再認識できるよう、褒めながら与えることも忘れずに。


シニア犬にとって適正な体重とは?

適正体重を把握するには、若い頃の数値だけではなく現在の筋肉量・骨格・活動量を総合的に見る必要があります。目安としてはBCSで4〜5を維持すること。肋骨に薄い脂肪層が触れ、腰のくびれが緩やかに確認できる状態が理想です。逆にBCS3以下は痩せすぎ、6以上は肥満域。体重計だけでなくメジャーで胸囲と腹囲を測ると、筋肉や内臓脂肪の変動を立体的に追えます。月イチの定点測定と写真記録を続ければ、微妙な変化もグラフ化でき、異常に早く気付けます。測定後に数値と体調をメモする習慣をつけることで、動物病院での問診もスムーズになり、的確なアドバイスにつながります。年齢に応じた目標体重を獣医師と共有しておきましょう。


「食べて痩せる子」のためのフード選びのポイント

消化吸収が落ちたシニア犬には、第一に高消化性・高タンパク・中程度の脂質を備えたフードが向きます。原材料表示で“チキン生肉”“サーモン生肉”など動物性たんぱく質がトップに来ているか確認しましょう。次に“乾物中タンパク質比”が28〜32%前後あるか、脂質は16%前後あるかが目安。さらにプレバイオティクス(イヌリン、オリゴ糖)や消化酵素(パパイン、ブロメライン)が配合されていると、腸内細菌バランスと分解効率を高めてくれます。体重が落ち続ける場合は、高カロリー処方の療法食や流動食を一日分の20〜30%だけ混ぜてエネルギー密度を上げる方法も有効。脂質消化が苦手な子には、中鎖脂肪酸オイルや魚油など吸収しやすい脂質源をトッピングすると、カロリーは確保しつつ胃腸への負担を減らせます。試す際は体調と便の状態を観察し、合わなければ速やかに中止することが重要です。新しいフードは5〜7日かけて徐々に切り替えると、拒否や下痢を防げます。


「食べない子」のための食欲アップ工夫

食べない子の食欲を刺激する鍵は、“香り・温度・食感”の三要素です。まずフードを40℃前後のぬるま湯でふやかすと、香り成分が立ち上がり、歯や喉への刺激も和らぎます。鶏ささみのゆで汁やカツオ出汁を少量加えれば、嗅覚の衰えたシニアでも鼻をひくつかせやすくなります。次に食感。柔らかいウェットとカリカリをミックスすると、噛む楽しさが復活し咀嚼回数が増加。さらに一日2回だった食事を4〜5回に小分けし、空腹による胃酸逆流を防ぎながらカロリーを確保します。与える場所や食器を変えるだけで気分転換になり、食事スイッチが入る犬も。嗜好性アップのためにヒト用の調味料や脂っこい食材を多用すると肥満や膵炎を招くので厳禁です。どうしても食べない場合は、食欲増進剤や流動食チューブの選択肢もあるため、早めに獣医師へ相談しましょう。トライ&エラーを恐れず、愛犬が“おいしい”と感じる黄金パターンを探す姿勢が、体重維持への最短ルートです。


栄養補助やサプリメントの活用方法

栄養補助食品は、足りない栄養をピンポイントで補う“道具”として活用します。胃腸機能低下には消化酵素やプロバイオティクス、筋肉維持には分岐鎖アミノ酸やオメガ3、食欲不振にはビタミンB12が定番。ただしサプリは医薬品ではなく、過剰摂取で下痢や栄養バランスの崩れを招くリスクもあります。選ぶ前に血液検査で不足栄養素を把握し、用量は体重あたり何mgかを獣医師に確認しましょう。複数を併用する場合は、相互作用やカロリー増加にも注意が必要です。サプリメントは“飲むだけで万全”ではなく、バランスのとれた主食と適度な運動を土台にしてこそ効果を発揮します。定期的に成果を評価し、効果が薄い場合は見直しましょう。!


定期的な健康チェックの重要性

急激な体重減少は、早期治療で改善できる病気のサインかもしれません。年1回の健康診断に加え、シニア期は半年に1回の血液検査とエコーを推奨します。便や尿の検査も同時に行うことで、腎臓・肝臓・腸のトラブルを網羅的にチェック可能。結果を数値で保管し、前回との比較を行う習慣が早期発見への近道です。検査日に合わせて体重推移グラフや食欲メモを持参すれば、獣医師とのコミュニケーションもスムーズになり、的確な治療プランを立てやすくなります。


痩せすぎによる健康リスクとは?

痩せすぎると体脂肪だけでなく筋肉も削られ、免疫細胞の原料やホルモン生成に必要な脂質・タンパク質が不足します。その結果、感染症に罹りやすく治癒も遅延。筋肉量低下は関節を支えられず転倒骨折の危険を高め、歩行が減ることでさらに筋肉が痩せる悪循環に。体脂肪が薄いと断熱効果が弱まり、冬は低体温、夏は熱中症のリスクも急上昇します。また薬の代謝も遅れ、副作用が強く出る可能性も。理想体重を維持することは“長生き”だけでなく“快適に過ごす”ための最低条件です。痩せすぎを放置すると、治療に要する時間・費用も膨らみ、飼い主の生活負担も大きくなります。適正体重を守ることは、愛犬と飼い主双方のQOLを支える最大の予防策と言えるでしょう。


体重変化の「質」を見極めよう

体重減少は“食べる量”だけを見ていては原因を取り違えます。食べて痩せるのか、食べなくて痩せるのか、それとも両方か。観察→記録→獣医師相談のサイクルを徹底し、原因に合わせた対策を選びましょう。数字だけでなく姿勢や被毛のツヤ、活動量など“質の指標”を見極めることが、シニア犬の毎日を守る最短ルートです。小さな変化でも「いつもと違う」と感じた瞬間にメモと写真で残せば、未来の自分と獣医師へのヒントになります。

筋肉量の低下に要注意!「サルコペニア」とは?

加齢によって筋線維が萎縮し、新たな合成も遅くなる現象を「サルコペニア」と呼びます。体重はさほど変わらなくても後ろ足が細くなり、立ち上がりや階段で踏ん張れない等の兆候が出たら要注意。予防には動物性たんぱく質を体重1kg当たり2g程度確保し、室内でのゆっくりしたお座り→立ち上がり運動や短時間の芝生散歩を毎日続けることが効果的です。


空腹時間が長すぎると胃腸トラブルに

空腹時間が12時間以上続くと、空になった胃に胃酸が溜まり、朝方に黄色い泡を吐く「空腹性嘔吐」を起こしやすくなります。嘔吐が続けば胃粘膜は炎症を起こし、痛みやむかつきでさらに食欲低下――悪循環で体重減少が進行します。これを防ぐコツは、就寝前に消化の良いフードやヤギミルクを少量与える「夜食」、一日分を4〜5回に小分けする分食、そして毎日同じ時間帯に食事を出して体内時計を整えること。胃腸を休めつつ空腹を作らない仕組みが体重維持につながります。


歯や口のトラブルが痩せる原因になっているかも

犬の約7割がシニア期までに歯周病を経験すると言われます。歯肉が腫れ、噛むたび痛みが走るとフードボウルを前にしても首をそらし摂取カロリーが激減。咀嚼不足による丸のみは消化不良も招き、痩せやすい状態が加速します。口臭が強い、片側だけで噛む、硬いおやつを残す――これらはSOSサイン。年1〜2回の歯石除去と、毎日の歯みがきシートやデンタルガムで口内環境を清潔に保ち、「食べたいのに痛くて食べられない」を防ぎましょう。


ストレスや環境変化が食欲に与える影響

犬にとって環境変化は想像以上のストレスです。「引っ越した途端フードを残す」「長期出張から戻ったら痩せていた」というケースも少なくありません。ストレスは自律神経を乱し、胃腸の血流を低下させるため、食欲不振や下痢を招き体重が減ります。対策は“いつも通り”を守ること。新居でも寝床・食器・散歩コースを変えず、留守番が長い日はテレビや香り付きおもちゃで安心感を補強。雷や工事音が苦手な犬には防音クレートを活用し、「安心して食べられる空間」を整えましょう。


シニア犬の病気による体重減少を見逃さないために

シニア犬の体重減少で見落としたくないのが潜在的な疾患です。悪性腫瘍は腫瘤が小さくても大量のエネルギーを消費し、数週間で急激に痩せることがあります。腎不全では尿タンパク喪失と食欲不振が重なり、甲状腺機能亢進症では基礎代謝が異常に高く“食べても痩せる”典型的症状が出ます。早期発見の鍵は、半年ごとの血液生化学・甲状腺ホルモン検査と胸腹部エコーの併用。体重変化と検査データをセットで管理し、「年齢のせい」で片付けないことが寿命を延ばす最善策です。

タイトルとURLをコピーしました