「最近、うちの子が散歩に行きたがらない…」「途中で立ち止まって動かなくなってしまった」
年齢を重ねた愛犬が急に歩かなくなると、「病気かもしれない」「もう年だから仕方ないのかな」と不安になりますよね。
この記事では、シニア犬が歩かなくなるときに考えられる原因と、無理をさせずにできる対策、病院に連れて行くべき症状の見極め方を詳しく解説します。
1. シニア犬が歩かないのは老化?それとも病気?
犬も年を取ると体力や筋力が衰えてくるので、若い頃のように元気に歩けなくなるのは自然なことです。でも「老化かな」と思って様子を見ていたら、実は病気が進行していた…ということも少なくありません。
■ 老化の場合の特徴
- 年齢に伴い徐々に歩く速度が遅くなる
- 長距離を嫌がり、短時間の散歩なら楽しそうに歩く
- 足取りはゆっくりでも、食欲や元気はある
■ 病気の可能性が高い場合の特徴
- 急に歩かなくなった
- 立ち上がるときに痛そうに鳴く
- びっこを引く、足をかばっている
- 呼吸が荒い、ぐったりしている
- 食欲が落ちた、元気がない
少しでも「いつもと違う」と感じたら、無理をさせずに一度獣医さんに診てもらいましょう。老化と病気は症状が似ていることも多く、素人判断は危険です。
2. シニア犬が歩かなくなる代表的な病気
「ただの老化」と思っていると見逃しやすい病気を知っておきましょう。
● 関節や骨のトラブル
シニア犬で特に多いのは、関節炎や椎間板ヘルニア、股関節形成不全です。
関節に痛みがあると、歩くのを嫌がります。
こんな症状に注意!
- 歩き始めにフラフラする
- 段差を嫌がる
- 足を触ると嫌がる
● 心臓や呼吸器の病気
心臓病や肺の病気の場合、歩くとすぐ息切れして立ち止まります。
こんな症状に注意!
- 呼吸が浅くて早い
- 咳をする
- 散歩中すぐ座り込む
● 認知機能の低下(犬の認知症)
高齢犬の認知症では、道の途中で立ち止まって固まる、進む方向がわからなくなるなどの行動が見られます。
こんな症状に注意!
- 夜鳴きが増えた
- ぼんやりしている時間が増えた
- 家の中で迷子になる
3. 無理に歩かせるべき?休ませるべき?
「散歩に行かないと筋力が落ちてしまう」と思い、つい無理に歩かせてしまう飼い主さんは多いです。でも、体に痛みがあったり、病気が隠れている場合は逆効果になることも。
✅ 元気がある場合
- 無理のない範囲で短めの散歩を続ける
- 途中で座り込んだら休憩する
- 途中で抱っこやカートに乗せてもOK
✅ 元気がない・痛みが強そうな場合
- 無理に外に出さず、まずは病院へ
- 自宅内で軽く体を動かすだけでも十分
「老犬だから筋力を落とさないように」と思う気持ちはとても大切です。でも、体調が最優先です。飼い主さんが一番の味方ですから、愛犬の様子をよく観察してあげてください。
● 散歩に連れて行ってから歩かなくなる事が多い場合
家では元気なのに、外に出た途端に立ち止まってしまう子もいます。
この場合、地面の冷たさや暑さ、音や他の犬への不安が原因の場合もあります。
途中で歩かなくなったときは、抱っこやカートで無理なく帰宅しましょう。
もし途中で足を引きずるようなら、痛みがある可能性が高いので一度病院で診てもらってください。
4. すぐに病院へ連れていくべき危険なサイン
次のような症状がある場合は、様子を見ずにすぐ獣医師に相談してください。
- 立ち上がれなくなった
- 触ると激しく嫌がる、鳴く
- 呼吸が苦しそう
- 食欲がなく、水も飲まない
- 便や尿の回数が急に減った・増えた
何も異常がない場合でも、「気になったらすぐ相談して大丈夫」です。
「大げさだったかな」と思っても、診てもらえば安心できます。
5. シニア犬が安心して歩けるようにする工夫
愛犬が少しでも楽に歩けるように、できることを紹介します。
クッション性があり滑りにくい道を選ぶ
シニア犬にとって、滑りやすい路面は大きな負担になります。コンクリートやアスファルトは足への衝撃が大きく、滑って転倒するリスクも高まります。できるだけ、芝生や土の道を選んであげましょう。これらの路面は足への負担が少なく、クッション性もあるため、安心して歩かせることができます。公園の舗装されていない小道や、草地の広場などがおすすめです。
暑さ・寒さを避ける
高齢になると、体温調節機能が低下するため、暑さや寒さに非常に弱くなります。特に日本の夏は高温多湿で、熱中症のリスクが高まります。
- 暑い時期は、気温が上がりきる前の早朝や、日差しが和らぐ夕方など、涼しい時間帯を選んで散歩に出かけましょう。地面の熱も確認し、愛犬の肉球がやけどしないように注意が必要です。
- 寒い時期は、日中の比較的暖かい時間帯を選ぶのが良いでしょう。特に冬の朝晩は冷え込むので避け、必要に応じて防寒着を着せてあげるのも有効です。
散歩前にマッサージを
散歩に出かける前に、軽くマッサージをしてあげることで、関節の動きがスムーズになり、筋肉も温まります。
- 特に関節周りや足先を優しく揉んであげると効果的です。血行が促進され、リラックス効果も期待できます。
- マッサージは、愛犬とのコミュニケーションの時間にもなります。無理強いせず、気持ちよさそうにしている程度に留めましょう。
歩行補助グッズを使う
シニア犬の歩行をサポートしてくれる便利なグッズもたくさんあります。愛犬の状態に合わせて、適切なものを取り入れてみましょう。
ペットカート: 長時間の散歩が難しい場合や、途中で疲れてしまった際に非常に便利です。カートに乗せて移動し、犬が歩きたい場所で降ろしてあげるなど、上手に活用することで、行動範囲を広げることができます。
歩行補助ハーネス: 腰や後ろ足を支えてあげられるハーネスは、足腰が弱ってきた犬にとって非常に役立ちます。全身をサポートするものや、部分的にサポートするものなど、様々なタイプがあります。
滑り止めの靴下: フローリングなどの滑りやすい床で転倒防止になるだけでなく、散歩中に肉球を保護する役割も果たします。特に雨の日や、滑りやすい路面での使用を検討してみると良いでしょう。
など、無理なく移動を助ける便利アイテムを活用しましょう。
6. 散歩に行けない日の自宅ケア
外に出られなくても、家の中でできることはたくさんあります。
● 室内での軽い運動
- おやつを使って立ったり座ったり
- 部屋をゆっくり歩かせるだけでもOK
● 足腰に優しい環境作り
- フローリングに滑り止めマットを敷く
- 段差にスロープをつける
● 食事を見直す
シニア用の関節ケアフードやサプリメントを取り入れるのも一つの方法です。かかりつけの獣医師に相談して選んでください。
獣医師に相談するのも一つの安心材料になる
シニア犬の散歩や歩行のお悩みは、実はとても多くの飼い主さんが経験しています。
「うちの子だけおかしいのかな…」と一人で抱え込まずに、獣医さんや同じ悩みを持つ飼い主仲間と情報を共有してください。
最近は高齢犬向けのケアグッズも増えていて、昔よりずっと快適にお散歩できる方法が増えています。
焦らず、愛犬のペースに合わせて寄り添ってあげましょう。
シニア犬のお散歩によくあるお悩みQ&A
● 散歩に行きたがらなくても連れていくべきか
散歩は筋力維持に大切ですが、嫌がるときに無理に外に出すと、愛犬にとって大きなストレスになります。
体調が悪いサインかもしれないので、無理はせず、体調をチェックしてから判断しましょう。
元気そうなら、短時間だけでも外の空気を感じさせてあげると気分転換になります。
● 散歩しないと筋力も落ちて老化が進みそうで怖い
確かに散歩は筋力維持に役立ちますが、体調が悪いときに無理をすると逆に回復を遅らせてしまいます。
「今日は散歩を休んで、明日また短く行ってみよう」くらいの気持ちで大丈夫です。
無理せず室内でできる運動を取り入れて、筋力低下を防ぎましょう。
● 歩かせるべきか、休ませるべきか悩む
目安としては、元気で食欲もあり、足の痛みがなさそうなら短い散歩はOK。
痛みや息切れ、疲れやすい様子があれば、休ませて早めに病院へ相談してください。
● 足が痛いのかも、無理に歩かせたら悪化しないか
シニア犬の歩行拒否で多いのは関節痛や筋肉痛です。
足を触ったときに引っ込めたり、鳴いたりする場合は痛みが強いサインです。
この場合はすぐに散歩を中止し、動物病院に相談してください。
● 痛みを見極める方法を知りたい
- 足を触ったときに嫌がるか
- 立ち上がるときに時間がかかるか
- びっこを引いていないか
こうしたポイントを観察しましょう。少しでも異常があれば無理をさせずに受診を。
● 無理に歩かせていいのか、病院に行くべきか知りたい
「歩かせているうちに治るかも」と思って無理に歩かせるのはNGです。
シニア犬の関節や骨の痛みは放置すると悪化することが多いので、異変を感じたら病院で原因を確かめるのが一番安心です。
どうしてあげるのが正解か分からないとき
正解がわからず不安になるのは、どの飼い主さんも同じです。無理をせず「できること」をしてあげましょう。
散歩を短くする?抱っこで行ってもいい?
もちろんOKです!シニア犬は長時間の散歩より、短くても楽しい時間を重ねる方が大切です。
途中で疲れたら抱っこしたり、カートに乗せて景色を見せてあげるだけでも良い刺激になります。
シニア犬に負荷をかけず体を動かすことを意識する
- 朝夕の涼しい時間を選ぶ
- 足腰を守るハーネスやサポーターを活用する
- 途中でお水休憩を挟む
- 滑りにくい道を選ぶ
「散歩=長時間歩くもの」という固定観念を手放して、愛犬に合わせた散歩を楽しみましょう。
高齢犬でも無理なく散歩を楽しませる方法
高齢になっても、散歩を楽しむ方法はたくさんあります。
● 無理をさせない方法(散歩のやり方、補助アイテム)
- 歩行補助ハーネスを使って後ろ足を支えてあげる
- 足腰を保護する靴や靴下を活用する
- 愛犬に疲れた様子があればカートで移動する
こうした補助アイテムは、犬にも飼い主さんにも負担を減らす強い味方です。
● 室内ケアのコツ(おすすめグッズ、簡単な運動)
散歩に行けない日でも、家の中で楽しく体を動かせる工夫が大切です。
- お気に入りのおやつを使って「おいで」「座れ」の簡単なトレーニング
- 滑り止めマットを敷いて足腰への負担を軽減
- クッション性の高いベッドで関節を守る
無理のない範囲で体を動かすことが、筋力維持に役立ちます。
シニア犬が散歩で丁度良い運動をするためのポイントまとめ
愛犬が散歩に行きたがらないとき、「無理に歩かせたほうがいいのかな?」と悩むのはとても自然なことです。
でも、一番大切なのは 愛犬の体と心を守ってあげること です。
無理をさせず、必要に応じて病院で相談しながら、愛犬が少しでも快適に過ごせる方法を選んであげましょう。
シニア犬が歩かなくなるのは、老化だけが理由とは限りません。
「ちょっといつもと違うかな?」と思ったら、無理をさせずにまずは病院へ行くことで一つの安心材料にもなります。
無理に散歩をさせるより、飼い主さんも愛犬も安心できる方法で体を動かし、元気な時間を少しでも長く過ごしてあげることが何より大切です。
愛犬との大切な時間を、これからも笑顔で楽しんでくださいね。
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